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2012 年06 月05 日

廃掃法の行政代執行

今日は、午前中、弁護士会の一般法律相談(もっとも、2時間待機中1件も相談はなかった。平和なのか、不景気なのか、人気がないのか。)の後、午後から岐阜地裁で弁論。岐阜駅に少し早めに着いたので、裁判所まで歩いて行った。駅から2kmだから、20分。アーケード街を抜け、昼間の閑散とした飲み屋街(きっと夜になったら高級バーなのだろう)を抜けて、建て替え工事中の裁判所に着く。 事案は廃掃法。依頼者は産廃収集運搬業者だが、運悪く善商に引っかかった。善商に処理を委託した業者として措置命令を受け、審査請求をして争っているうちに代執行となり、その費用について納付命令を受けた。その取消を求める訴訟だ。 行政法や環境法の授業で廃掃法はいつも扱っているが、改めて事案に即して考えると、訳の分からない法律だ。措置命令が出て、期限までに履行しないと、都道府県知事は自ら執行できる。俗にこれを代執行と呼んでいる。そして、都道府県知事は代執行に要した費用を行政代執行法を準用して処分者等に徴収することができる。 措置命令と納付命令については、違法性の承継の問題が有名であり、措置命令の違法性は納付命令には承継されないとされている。 しかし、改めて考えてみると、措置命令と納付命令の要件はかぶっている。何も違法性の承継などということを議論するまでもなく、措置命令が適法になされたことが納付命令の要件となるのではないか。要件がかぶっているから、措置命令の要件といおうが、納付命令の要件といおうが、実は変わらない。 また、措置命令が支障の除去等の措置を講じることだけを求めていて、その履行の方法には複数の方法が考えられるときに、行政庁がその中で最も費用の高い方法を選択して代執行したときでも、処分者等はその費用を負担しなければならないのだろうか、そもそもそのような執行を措置命令の代執行と呼べるのだろうか。それは行政庁による直接執行ではないのか。違法建築物の除却命令のようにその履行方法に選択の余地がない場合と違い、不法投棄された廃棄物の支障の除去については、それこそ残置方式から一部撤去方式から全部撤去方式までさまざまな方法がある。当然費用も変わる。処分者等がそれを行う場合は効率的な方法を選択するが、行政庁が自ら行う場合は、廃掃法の目的以外に、周辺住民の不安の除去から地域再生、さらには地元経済への寄与までいろんな事情を考慮して方法が選択される。国からの補助金をもらうことを考えれば、さらに方法は絞られてくるであろう。そのようないろいろな考慮要素の中で選択された直接施行の費用をすべて処分者等が負担させられるのはおよそ合理性がないであろう。 国はとにかく不法投棄対策を進めるために十分な立法事実の考慮のないまま特定の政策を選択して現行法規を制定した。極めて荒削りの法制度となっている。それを個別事案の利益状況に合わせて、その具体的な制度設計をするのが、環境行政訴訟の役割ではないだろうか。

投稿者:ゆかわat 21 :15| ビジネス | コメント(0 )

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